5月10日(土)開催の推薦委員会の推薦に基き、5月15日(木)の教室会議に
おいて第4回給付奨学生が決定いたしました。
応化会会員の有志の皆様の絶大なご協力の結果、目標の2000万円をこえ3月末時点で2143万8千円に達しました。したがいまして、昨年に続いて4名を上限として給付奨学生を選抜する予定で推薦のための審査をいたしました。
今回の審査委員会メンバーは里見委員長、柳沢、河村、速水、平林、細田、大矢に
教室から木野主任、菅原教授が加わり9名でおこないました。今回の申請者は4名でありましたが各人との面接と審査委員の検討会を経て最終的には2名に給付することといたしました。
4名の枠があるにも拘らず2名にいたしましたのは本奨学金の趣旨を尊重するための苦渋の決断の結果であり、下記里見委員長の審査経過報告をご参考ください。
崔 源成 君 (西出研 M2) →メッセージ) |
村田 篤 君 (武岡研 M2) →メッセージ |
今年度で四度目の選考会になった。 別紙に挙げられた九名の選考委員により、今年度は二名の奨学生候補を最終的に推薦する事とした。
毎年の事ではあるが、先生からのご推薦により応募された学生諸君であり、人物、学業何れも甲乙付けがたい優秀な学生であった。 ご案内のように、本奨学金給付制度の趣意書には、「少なくとも経済的理由による学外への頭脳流失を防ぐために、奨学金制度の意義がある・・・」が一番の選考基準となっている。 従い、選考する側にとっては、やはり家庭の経済状況を最重要ポイントとしている。 単に親御様の年収等の大小で判断するのではなく、ご両親の年齢、家族構成、別居通学等々を勘案して、経済的理由に適う学生を選考している。
今回の選考会では経済的に恵まれていると思われる学生(本人も自認)が多かった為に、候補学生の諸君には不躾な質問もせざるを得ない点があった事は、この紙面を借りてお詫びしたい。 応募された学生諸君の独立心は旺盛であり、後期進学に際しては親の経済状況に関らず、奨学金と若干のアルバイトにて生活費を賄いたいとの強い意志を持つ方が多かった。 親の支援を受けないという独立心の強さを前提とすれば、アルバイト等に時間を割けない大学院学生諸君は全て苦学生であり、その全員が選考基準に合致すると言える。
しかし、選考委員会での論議では、博士課程後期に進学を希望する学生にとっては、修士終了後の就職という選択肢もあった訳でもあり、ある程度の経済的支援基盤が担保されている事が後期進学の前提に為らざるを得ないのではとの意見が出された。 今後共に、比較的恵まれていると思われる経済環境の子弟応募も増えてくるものと思われる。 そうした状況を考慮するならば、現在の給付制度に貸与制度を組み込んだ新たな奨学制度への移行も視野に入れる必要が出てくるものではないかと考える。
今後、応募される学生諸君から、是非共にこの給付制度を更に発展させる為に、将来、生計が確立した暁には、本奨学資金に是非出捐したいとの何らかの意思表示がある事を期待したい。 そうなれば、十年と言わず、恒久的な制度維持も可能となろう。 多くの会員の協力下、持続可能な奨学金制度の確立が応化会の目指すべき道の一つであると考える。