里見 多一 前応用化学会会長 来賓ご挨拶

里見 多一(新制22回卒)
(前応用化学会会長 )

里見でございます。
 本日は応用化学科設立90周年、また応用化学会創設85周年誠におめでとうございます。ただいま過分なる感謝状を頂きまして身に余る光栄でございます。
 感謝状を頂いた者ばかりでなく  後でもお話させて頂きますが、早稲田応用化学会の活性化というところで、色々な方にご協力を頂いた賜物だということを紹介させて頂きたいと思います。

先ほど木野先生がお話されましたが、応用化学科90周年と申しますが、少子高齢化の中にありまして  各大学とも機構改革を進めております。早稲田大学理工学部も3つに分割致しました。この伝統ある学部に多々ある学科の中でも、設立以来の名前(応用化学科)を残して頂いている数少ない学科の1つであります。これは偏に先生方の日頃の教育、研究成果が広く学内のみならず社会にも認知され、応用化学科を残さなくてはいけないという学内世論があってこその結果と思いまして、改めて先生方のこれまでの多大なご尽力に対しまして心から敬意を表したいと存じます。

今日、学生の皆さんの案内で新しく出来た河田町キャンパス、そしてこの大久保キャンパスをOBの皆さんと一緒に見学させて頂きました。若い学部学生、修士学生諸君から色々研究の内容を紹介頂いたのですが、ある先輩から「これはひょっとするとノーベル化学賞いけるのかな!?」という言葉も出ました。横の方から「いや30年くらい待たなくては無理なのではないか……?」という声も聞かれました。本当に良い研究をされているのではないかと、早稲田の応用化学の底力を感じさせて頂きました。

丁度4年程前、現河村会長が年次総会の場で挙手(ご発言内容は、ライバル校の後塵を拝しているのにOBとして手を拱く訳には行かない、応化会を活性化すべきでは……と記憶)をされました。棚橋前会長から色々申送りを受けたのですが、その申送りに入ってない、私にとっては爆弾発言であったのですが、応用化学会の活性化活動がその時から始まったと理解しております。確か11月の役員会でご承認(活性化委員会組織として)頂きまして、具体的に活性化委員会を「さあどういう風にしようか……」、今日もまた大勢のボランティアとして参加して頂いている諸先輩と一緒に、何が出来るのか論議を始めました。
 中にはやや醒めた目で「そんなに長続きしないよ。改革なんて大変なんだから、何時か自然消滅してしまうよ……。」という声もあった様に記憶しています。今日の河村会長からのお言葉の様に、立派に応用化学科の中で認知された存在になったということは、当時の私共の杞憂が全く払拭されたという点で、非常に良かったのではないかと感じております。

その間、ボランティアとして親身になって働いて頂いた先輩諸氏の篤き思いは一点、「応用化学科からノーベル化学賞を出そうじゃないか、出して貰いたいんだ……」でした。その為には、まず我々OBが応用化学会を盛り上げる一方、先生方には研究環境或いは学生諸君に対する教育環境の強化を、そして若い逸材が国立大学へ逃げないようにということで、河村現会長が募金委員長として、二千数百万円余に及ぶ浄財を集める事に繋がりました。既に10名を越える奨学生に給付をしております。そうしたことが私共の活動の始まりであったということを忘れてはならないと思います。

これからも、当時爆弾を投げつけたご本人の河村会長が会長として、多少のレールが引かれたかもしれませんが、もっともっと応化会を活性化して頂いて、教室、現役の学生諸君、OBの3つを束ねる1つの要として、これから益々プレゼンスを上げて行かれることを強く祈念致しまして、甚だ僭越では御座いますが、私の祝辞と感謝の意を表したいと思います。
本日は本当におめでとうございます。