中部支部」カテゴリーアーカイブ

応用化学会中部支部第12回定期総会と交流会のご案内

2019年2月15日

4月6日(土) 16:00~20:00

河合塾講師  大宮 理氏

“化学教育と大学入試の化学

~高校の化学の今、大学入試の化学の今~

第12回定期総会と交流会は、応用化学会会長の西出宏之教授にご参加頂き開催いたします。

交流会では河合塾中部地区化学科講師大宮理氏(新制46回)より、『化学教育と大学入試の化学』と題し、現在の高校の化学と大学入試の化学およびこれからの入試の変革などについて、また最新の化学の話題などについても触れてご講演頂きます。

大宮理氏は長年塾講師として多くの若者を一流大学へ進学させ、その教育内容と成果は受験生とそのご家族より高く評価されており、『化学の大宮』で受験生には有名です。皆様、取り分け受験生を持っておられる会員の方々には、大変関心の高いテーマですので、講演会には受験生ご本人のご参加も歓迎いたします。

講演終了後には、西出会長と大宮氏を囲んで懇談の機会を持ちますので、会員の皆様方の積極的なご参加をお願い致します。又、西出研卒業生の皆様には、絶好の懇親の機会ですので奮ってご参加頂ければ幸いです。

                                  早稲田応化会中部支部支部長 三島 邦男

                           記

1.開催日時: 2019年4月6日(土) 受付15:30より

2.場所: 北京料理「百楽」名古屋店14階会議室(JR名古屋駅桜通口より徒歩3分)

3.支部総会: 16:00~16:30  

・2018年度事業実績報告および2019年度事業計画について

4.講演会: 16:30~18:00

・題目:「化学教育と大学入試の化学」

・講師:大宮 理氏  

      (略歴)1996年 早稲田大学理工学部応用化学科 土田・西出・武岡研究室卒。

                                   1997年 代々木ゼミナール化学科講師

                                  2007年 河合塾中部地区化学科講師~現在に至る

5.懇談会: 18:00~20:00 「百楽」15階ホールにて開催 (会費5,000円)

6.お申し込み先 → こちらから

        ・勝手ながら、来る 4月3日(水)までに申し込みをお願いします。

       ・問合せ先 中部支部代表幹事 堤 正之 m.tsutsumi@fuga.ocn.ne.jp

                                                     以上

第15回応化会中部支部交流会報告書

平成30年11月10日(土)16時30分~19時30分、名古屋駅前ダイヤビル1号館会議室にて、会員17名参加の下、交流会(含懇親会)が執り行われた。

 まず山崎副支部長から今回の講演者である早稲田大学先進理工学部応用化学科松方正彦教授の略歴等の紹介があった。その後、三島支部長から参加者へのお礼と、8月3日の役員会(応用化学創立100年の歴史と経緯についての興味深いお話が合った)のお礼があり、以降、松方教授の講演に移った。演題「2050年を目指した炭素循環型産業について」の講演を頂いた。

 

講演の要旨

 近年、COP-21パリ協定のCO2排出量80%削減を目標として、自然エネルギー導入の他に、石炭・石油の時代を経て2010年頃からガスの時代に入っているが、これも50年程度とみられておるところから、ダイナミックな技術と社会システムの転換が急速に進むと思われる。

講演する松方教授

 未来型技術開発を考察する際の基準として、ビジョンを示す国連の合意を得たSDGS、Tokyo GSC Statement2015、COP-21があり、開発目標を提示するICEF21、NESTI2050がある。
 2050年に向け化学産業は国際競争力強化のため、国内コンビナートでは過剰設備の解消、統合運営等を行うこと、エクスポートパリティの確保、海外に売れる技術の確保、オープンイノベーションによる次世代の人材育成が必要となる。国内コンビナート事業の縮小・均衡は最先端技術の開発実現による国際競争力があってこそ可能となる。
 2050年にCO2削減80%を達成する技術を想定しバックキャストして、前述のフォアキャストした技術とすりあわせた開発の動向を定めていくことが重要である。
 NESTI2050では省エネルギー、畜エネルギー、創エネルギー、CO2固定化・有効利用のテーマを設けている。この中の省エネルギーでのテーマとなっている膜分離について、米国ジョージア大学での省エネ検討例、大型の産業・学会連携が推進されていることや、天然ガス中のCO2分離回収コストの試算例、膜利用によるCO2除去にかかる省エネ効果、各種分離膜のCO2/CH4分離性能についての紹介があった。
 併せて原油から高付加価値の化学品を作る革新的技術開発の潮流として、水蒸気分解、直接分解(RFCCなど)の他に、膜分離による原油からの炭化水素製造も検討されているらしいとのことである。
 炭素循環型化学産業とは、CO2の回収⇒CO2の水素化⇒基礎化学品の分離精製⇒ポリマー、エンプラ、ファインケミカルズの製造など高付加価値製品へと展開することである。膜材料としてのゼオライトに関しては、種々のゼオライトと分離対象物質の分子径の比較や蒸留塔が不要となるAg⁺イオン交換型のゼオライト膜のメカニズムが調査されている。
 CO2からのメタノール生産はすでにアイスランドで事業化されている。CO2分離技術は石油精製石油化学、ファインケミカルズ、製薬・溶剤リサイクル分野全体で行うことが必要である。

続いて、三井化学人事における女性活用の話をベースにした講演に移った。

人口減少が続く昨今、このままでいくと2100年には人口が2,500万人にまで減少する。仮に出生率が2,07になったとしても6,000万人程度にしかおよばず、労働力不足は明白である。
そこで、米国に比べ女性の労働人口が少ない日本では、女性だけでなく高齢者、障害者、LGBTの人、外国人等が働ける職場の構築が必要となる。
その状況下、発生してくる体力的・精神的諸問題についてはAI利用等のプロセス改善や設備改善などにより安全性を確保することになる。例えば、工場で働く人の半数を女性にすると決め、年齢構成、子供の数、学童保育など、何が必要になるかを抽出すれば、それを実現するための設備対応技術がみえ、女性の活用と技術開発が繋がってくる。

講演終了後は、松方教授との懇談や会員間の親睦を図った。  

全員写真

出席者(敬称略)

講師:松方正彦(34回生)
三島邦男(17回生)、堤正之(17回生)、後藤栄三(19回生)、小林俊夫(19回生)、秋山健(19回生)、柿野滋(19回生)、谷口至(22回生)、木内一壽(24回生)、山崎隆史(25回生)、浜名良三(29回生)、服部雅幸(32回生)、上宮成之(35回生)、櫛谷文彦(39回生)、大高康祐(41回生)、植村裕司(44回生)、若林隆太郎(57回)、以上17名

 

(文責:谷口)

 

 

早稲田応用化学会中部支部第15回交流会開催のご案内

早稲田大学先進理工学部応用化学科教授 松方正彦氏
“2050年を目指した炭素循環型化学産業について”

   第15回中部支部交流会は、母校の松方正彦教授をお招き致します。
日本は、2030年に26%、2050年には80%のC02削減目標を国際的約束としております。C02削減80%を目指すには、製造業の全CO2排出量の20%を占める化学産業において、C02を回収して水素化し、化学製品製造の原料とする炭素循環型の化学産業を創造することが必要と考えられていす。
講演では、炭素循環型化学産業の内容とこの産業の創造に向けての種々の研究テーマにつき、その最先端を紹介いただきます。
仕事で何らかの形でCO2削減研究に取り組んでおられる現役会員をはじめ、会員皆様にとっては大変切実な内容で興味深い講演となっております。
講演後は松方教授との懇談会も予定しておりまので、お誘いあわせの上、多数ご出席下さいますようご案内致します。
                             早稲田応用化学会中部支部
                             支部長 三島 邦男

1.演題  “2050年を目指した炭素循環型化学産業について”

2.講師  松方正彦教授

3.日時  2018年11月10日(土) 受付16:00より
       講演会 16:30~18:00
       懇親会 18:00~20:00

4.場所  名古屋ダイヤビル1号館 (JR名古屋駅桜通口より徒歩3分)
      講演会 133号室
      懇談会 同ビル1階喫茶「サンディア」

5.会費  講演会 無料
                     懇談会 3,000円

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参加申し込みは、こちらから

準備の都合上、来る11月2日(金)までに申し込み願います。
お問い合わせ先:応化会中部支部代表幹事 堤 正之
Tel. ;059-353-7639
E-mail; m.tsutsumi @fuga.ocn.ne.jp

第11回中部支部総会と交流会の報告

 2018年4月14日(土)「北京料理百楽名古屋店」にて、第11回中部支部総会と交流会を開催しました。東北大学名誉教授有山達郎氏をお招きし、関西支部よりは市橋宏副支部長と前田泰昭理事に参加して頂きました。

第11回支部総会

 三島支部長の開会挨拶に引き続き。堤幹事より、2017年度の中部支部の活動および経費実績と来年度の活動計画の報告があり、参加者の賛同を頂いた。
報告内容の抜粋を別紙-1に添付する。(別紙-1はこちらから)

 


有山達郎氏による講演
「鉄の生い立ちと歴史との関わり、そしてこれからの鉄鋼業の将来」

講演する有山東北大学名誉教授

日本鋼管(株)からJFEスチール(株)を経て、その後 東北大学で高炉など鉄鋼の上工程プロセスの研究開発、 加えてエネルギー、Co2削減、廃棄物リサイクルなど 環境技術の研究に携わって来られた有山達郎氏に講演 を頂いた。
講演は、製鉄技術の開発史、世界の製鉄産業の変遷、環境問題(CO2削減)の各国の取組み状況および素材 産業の将来について、多くのデータや写真・イラスト や映像を用い、種々のエピソードを含めた解り易く興 味尽きないものであった。
最後に大学の研究環境や海外との交流を含めた活動内 容と氏が新しく開発した溶鉱炉のシミュレーション モデルの動画による紹介があった。
基幹素材産業である製鉄業に関する講演は、今回初めての事であり、参加会員の関心は高く大変満足した様子であった。 講演の要点の纏めを、別紙-2に添付する。(こちらから→)(別紙-2)講演の要点のまとめ(PDF)


懇談会

近藤顧問の挨拶と乾杯の音頭で懇談会に入った。関西支部の市橋宏副支部長と海外プロジェクトに取り組んでいる前田理事、シンガポールで事業展開されている伊藤理氏および台湾で仕事をされていた友野博美理事より海外事情や外から見た日本観等のスピーチを頂いた。テーブル毎の懇談が盛んで、2時間があっという間に過ぎてしまいました。
全員写真を撮った後、フィナーレは木内幹事の「1本締め」で、母校および早化会の発展と各位のご活躍を期し散会しました。

参加者(敬称略)

(講 師)有山達郎(新23回)
(関西支部会員)市橋宏(新17回)、前田泰昭(新14回)
(中部支部会員)近藤昌浩(新9回)、三島邦彦(新17回)、堤正之(新17回)、後藤栄三(新19回)、小林俊夫(新19回)、柿野滋(新19回)、秋山健(新19回)、谷口至(新22回)、須藤雅夫(新22回)、友野博美(新22回)、木内一壽(新24回)、山崎隆史(新25回)、名塚達男(新26回)、伊藤理(新26回)、服部雅幸(新32回)、金原和秀(新32回)、大高康裕(新41回)、植村裕司(新44回)

(文責:大高、堤)



中部支部第11回定期総会と交流会のご案内

第11回定期総会と交流会には、東北大学名誉教授有山達郎氏(新23回平田研卒)をお招きし講演して頂きます。

4月14日(土) 16:00~20:00
東北大学名誉教授 有山達郎氏
“鉄の生い立ちと歴史との関わり、そしてこれからの鉄鋼業の将来“
~わかりやすい鉄の話とエネルギー、資源、地球環境からの視点~

有山名誉教授は企業、大学を通じて高炉など鉄鋼の上工程のプロセスの研究開発、加えてエネルギー、CO2削減、廃棄物リサイクルなど環境技術の研究をして来られました。
鉄は産業革命以降、文明の発展に大きく貢献、「鉄は国家なり」といわれ歴史をも左右して来ました。現在も世界では年間16億トンの鉄製品が製造されています。一方、製造時にはエネルギーを大量消費し、地球環境問題に関しては、他産業に比べて影響度が極めて大きく、環境サステナビリテイと素材産業成長の整合性をどうするかは、今後の大きな課題となっております。
講演では、鉄の生い立ちから、エネルギー、資源との関わり、至近の環境問題、将来展望まで、いくつかのエピソード、また研究も交えながら解り易く概説して頂きます。
大変関心の高いテーマですので、ぜひご出席頂きます様ご案内いたします。

早稲田応化会中部支部
支部長 三島 邦男

 記
 
1.開催日時: 2018年4月14日(土) 受付15:30より
2.場所: 北京料理「百楽」名古屋店14階会議室(JR名古屋駅桜通口より徒歩3分)  
                   
3.支部総会: 16:00~16:30 
  ・2017年度事業実績報告および2018年度事業計画について
 
4.講演会: 16:30~18:00
・題目:「鉄の生い立ちと歴史との関わり、そしてこれからの鉄鋼業の将来」
・講師:東北大学名誉教授 有山達郎氏
(略歴) 1975年4月 日本鋼管(NKK)入社、
   2006年4月 東北大学多元物質科学研究所教授 2013年4月 東北大学名誉教授
   2015年4月~2016年3月 秋田大学客員教授
 
5.懇談会: 18:00~20:00 「百楽」15階ホールにて開催 (会費5,000円)
6.お申し込み → こちらからお申込下さい。
こちらから
・勝手ながら、来る4月10(火)までに申し込みをお願いします。
・問合せ先 中部支部幹事 堤 正之 m.tsutsumi@fuga.ocn.ne.jp                                                          
以上

中部支部第14回交流会報告

早稲田大学応用化学会中部支部第14回交流会報告

逢坂名誉教授によるご講演

平成29年10月14日(土)に、現在、早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構特任研究教授・名誉機構長、早稲田大学理工学術院名誉教授を務めておられる逢坂哲彌名誉教授をお迎えして、ご講演して頂きました。 演題は“エネルギー・蓄電池の将来展望-特に自動車 EV化に伴って-”であり、誰にとっても大変興味ある 内容を説明して頂きました。 東京から参加頂いた方も含め、多数の逢坂研OBの 方に参集いただき、総勢26名の盛会となりました。

講演の要旨

①蓄電池1

蓄電池はエネルギーを発生するもではなく、ためるものであり、容量の増加に伴って、その開発も盛んになっている。携帯電話(Wh)→車(kWh)→系統電源(MWh)と容量増加に伴い、生活に必須のものとなっており、CO2削減等の環境問題も背景となって、その重要性が更に増している。
電池の発展にはその開発だけではなく、コントロール技術(評価・診断)も重要になる。HV車に使われて戻ってきたニッケル水素電池が診断方法によっては、3割ぐらい再生可能であることが分かる。直近はリチウムイオン二次電池(LIB)の比重が高まっているが、安定性があり、実績のあるニッケル水素電池はHV車用で一定の地位を占めている。
LIBは他の先進部材と同じ問題を抱えている。日本企業の携帯用LIBはある一定の事業規模になったところで、DRAM,LCD等と同様に世界でのシェアが急低下している。車載用LIBはまだ高シェアであるが、中国のEV大増産が始まれば、シェアは低下していく。技術で先行して、ビジネスで負けるのは構造的な問題が潜んでいる。

②EV化

トヨタは2020年に本格的にEVを投入する。その背景は、カリフォルニア州のZEV法、中国のNEV法がある。英仏の2040年、エンジン車禁止もある。フォルクワーゲン(VW)は本格的なEV開発に舵を切り、中国メーカーはまだ技術レベルは低いが、国策に従って、EV化を進めている。2015年のEV, PHEV販売量は①テスラ、②日産リーフ、③三菱となっているが、今後順位が大きく変動する。CO2排出量比率の高い自動車は環境対策の面でもEV化を強く求められる。

③蓄電池2

電池は他の部材と異なり、材料費比率が高い。事業として利益を出すには工夫が必要で、川下のアプリケーションとの連携が欠かせない。エネルギー密度をいかに上げていくかがkeyになるが、正極はCo-Ni-Mnの3元系、負極はカーボンからSi系への移行が図られている。次世代は硫黄系の正極に特徴が見出されている。
トヨタは2020年に全固体電池EV車の実用化を発表している。固体電解質では安全性が焦点になる。硫化物の電解質が検討されている。
早稲田は材料開発だけでなく、電池を試作して評価までできる施設を構築している。インピーダンス法の適用により、電池の非破壊検査ができるようになっており、電池内部評価への需要は非常に強い。電池はどうすれば壊れるかは分かってきているが、どうすれば壊れないかは不明な部分も多い。評価技術の進展は重要である。


懇談会

榊原彰良氏以下若手7名と東京より臼田雅彦氏と渡辺佳織氏の逢坂研OBの参加および関西より御手洗健太氏と、多くの若手会員の参加を頂いた盛大な懇談会となりました。逢坂先生との旧交を温めると同時に、新婚の渡辺ご夫妻のスピーチを頂くなど和やかなや雰囲気で、活発な会員間の交流が図られ瞬く間に懇談時間が過ぎてしまいました。小林幹事の若手へのエールを以って閉会とし、全員写真と逢坂研OB写真を撮り散会致しました。
中部支部交流会として、久しぶりに多くの若い会員に集まって頂いた有意義な時間でした。


参加者

逢坂哲彌名誉教授、(愛知県)近藤昌浩(9回)、三島邦男(17回)、後藤栄三(19回)、小林俊夫(19回)、山崎隆史(25回)、服部雅幸(32回)、加藤啓(38回)、榊原彰良(46回)、角友秀(53回)木藤広樹(54回)、小幡裕之(55回)、秋山直久(56回)、工藤聡(56回)、渡辺優太(65回)、(三重県)堤正之(17回)、秋山健(19回)、友野博美(22回)、櫛谷文彦(39回)、新村多加也(39回)、大高康裕(41回)、(岐阜県)白川浩(18回)、木内一壽(24回)、(滋賀県)御手洗健太(65回)、(東京)臼田雅彦(36回)、渡辺佳織(65回)

(文責:新村、堤)
スナップ写真集

早稲田応用化学会中部支部第14回交流会開催のご案内

早稲田応用化学会中部支部第14回交流会

 

早稲田大学 特任教授 逢坂哲彌氏
     “最近のエネルギー・蓄電池の話題~自動車EV化に伴って~”

第14回中部支部交流会を下記要領で開催致します。今回の講師は、現在、特任研究教授の一号としてスマートエネルギーシステム・イノベーションセンター長としてご活躍中の逢坂哲彌先生にお願いしました。
講演内容は何方様にとっても大変興味ある内容となっております。講演後は懇親会も予定しております。お誘いわせの上、多数ご出席下さいますようご案内致します。
                          早稲田応用化学会中部支部
                          支部長 三島 邦男

1.演題  最近のエネルギー・蓄電池の話題~特に自動車EV化に伴って~

2.講師  逢坂哲彌先生
      早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構特任研究教授・名誉機構長
                      早稲田大学理工学術院名誉教授

3.日時  2017年10月14日(土)
                     受付16:00より
                     講演会 16:30~18:00
                     懇親会 18:00~20:00

4.場所  名古屋ダイヤビル1号館 (JR名古屋駅桜通口より徒歩3分)
      アクセスはこちら(リンク終了)
       講演会 131号室
       懇親会 同ビル1階喫茶「サンディア」

5.会費  講演会 無料
                     懇親会 3,000円

         参加申し込みはこちらから→ここをクリック。
         準備の都合上、来る10月6日( 金)までに申し込み願います。
         お問い合わせ先:応化会中部支部幹事 堤 正之
       Tel. ;059-353-7639
          E-mail; m.tsutsumi @fuga.ocn.ne.jp

第10回中部支部総会と交流会の報告

2017年4月15日(土)「北京料理百楽名古屋店」にて、第10回中部支部総会と交流会を開催しました。東京大学総合研究博物館特招研究員吉田邦夫氏をお招きし、関西支部よりは市橋宏副支部長と田中航次事務局長に参加して頂いた。

第10回支部総会

三島支部長の開会挨拶に引き続き、 堤幹事より、2016年度の活動および経費実績並びに2017年度活動計画案が上程され出席者全員の賛同が得られました。→第10回中部支部総会上程資料(HP掲載用)


吉田邦夫氏による講演「縄文人の食卓~同位体食生分析~」

吉田氏は放射性炭素(C-14)が規則正しく壊れる現象を時計として使うことによって、人間と自然の営みに関する時間情報について研究してこられ、考古学、環境学、美術史など幅広い分野で研究活動を行っておられます。今回の講演では、人骨と土器に残された炭素・窒素同位体情報をもとにして、縄文人の食卓を再現されました。

①あなたは、あなたが食べたもの(同位体食性分析)

地球にある炭素、窒素には、わずかに重さが違う 兄弟原子「同位体」が存在し、その比率(安定同位 体比)は炭素については12C(98.90%)、13C (1.10%)、素については14N(99.63%)、15N (0.37%)である。これら炭素や窒素の同位体は 質量が異なるため、植物に取り込まれてセルロースや デンプンに変化したり、タンパク質に合成される際に、 反応速度の違いから安定同位体比からずれることが わかっている。これを同位体分別効果といい、食材の グループによって同位体の割合がわずかに違う。 この違いを利用して、人が食べていた食材を推定するのが、同位体食性分析である。例えば人の髪の毛の炭素・窒素同位体比を分析すると、ベジタリアンの人かどうかを調べることができる。(ベジタリアンの場合、重い13C、重い15Nの同位体比は共に低く、一般的な人と比較して特異なデータが得られる。)安定同位体比の測定は、分析試料を燃やして出来る気体、二酸化炭素と窒素ガスを質量分析計で測定する元素分析計-質量分析計システムによって行う。

②縄文人の食卓への二つのアプローチと日本列島の食料資源

縄文人の食卓を推定するため、「人骨のコラーゲンの分析」(長期間の情報、年齢、男女差などの個体の情報)と「土器付着物の分析」(短期間の情報、一回または複数回の調理の情報)」の二つのアプローチを行い、過去の日本列島の食料資源の炭素・窒素同位体比の情報(C3植物、C4植物、草食動物、海産貝類、海産魚類、海産哺乳類)から、縄文人の食卓を推定した。

③縄文人骨に残された痕跡

縄文人骨から硬タンパク質(コラーゲン)を取り出し、同位体比を分析すると、居住地域による特徴が見られる。北海道では、およそ6000年の間、海獣に依存した食生活が続いていた。内陸部では、草食動物に依存していた。貝塚人は、海産物の依存が多いものの、貝類のみを食していたわけではなく、草食動物を多く食していたことがわった。また、人骨分析を行った集団の中で、集団から離れた個体の存在が見つかった。異なる食文化をもつ個体(シャーマンなど)? あるいは、食文化が異なる集団から移り住んだ個体?があったと推定される。

④土器に残された痕跡

火炎土器は祭祀のため、神に献げるものの煮炊きに使用されていたと推定される。火炎土器に付着した炭化物(調理した食材のおこげ)の炭素同位体比とC/N比の分布を測定することで、食材の種類を特定することができる。火炎土器付着物から次のことがわかった。堅果類(どんぐり、トチの実など)を単独で煮炊きした例はない。遺跡ごとにややまとまりが見られる(祭祀のために決められた特別なメニューはなかった)。(信濃川)上流部では、主としてC3植物と陸上動物が調理されていた。(信濃川)下流部と(佐渡)島では、海洋魚、サケ・マスを含む食材が調理されていた。

最後に新たな展開として、脂質分析(分子レベル炭素同位体比分析)の紹介があった。


懇談会

後藤顧問の挨拶と乾杯の音頭で懇談会に入った。両関西支部来賓および大高理事、新村理事および初めて参加頂いた浜名氏にスピーチを頂いた。テーブル毎や吉田氏を囲んだ懇談が盛んで、2時間があっという間に過ぎてしまいました。全員写真を撮った後、フィナーレは堤幹事の「1本締め」で、母校及び早化会の発展と各位のご活躍を期し散会しました。

参加者(敬称略)

(講 師)吉田邦夫(新21回) (関西支部会員)市橋宏(新17回)、田中航次(新17回)、
(中部支部会員)澤田祥充(旧31回)、近藤昌浩(新9回)、三島邦彦(新17回)、堤正之(新17回)、白川浩(新18回)、後藤栄三(新19回)、小林俊夫(新19回)、柿野滋(新 19回)、秋山健(新19回)、谷口至(新22回)、須藤雅夫(新22回)、木内一壽(新24 回)、山崎隆史(新25回)、浜名良三(新29回)、服部雅幸(新32回)、新村多加也(新 39回)、大高康裕(新41回)。

(文責:大高、堤)


応用化学会中部支部第10回定期総会と交流会のご案内

4月15日に応用化学会中部支部第10回定期総会と交流会が開催されます。今回の交流会は、東京大学総合研究博物館特招研究員吉田邦夫氏(新21回生、多田研)をお招きします。
演題は“縄文人の食卓〜同位体食性分析〜”です。
 吉田氏は放射性炭素(C-14)が規則正しく壊れる現象を時計として使うことによって、人間と自然の営みに関する時間情報について研究してこられ、考古学、環境学、美術史など幅広い分野で研究活動を行っておられます。
今回、吉田氏は、人骨と土器に残された炭素・窒素同位体情報をもとにして、縄文人の食卓を再現致します。太古の人々の食卓はどのようなものであったか?飽食の時代を生きる現在人にとって大変興味深い内容となっております。

 講演後は、吉田氏を囲んだ懇談を用意してありますので、活発なコミュニケーションをして頂きたくご案内致します。
万障お繰り合わせの上、多数ご参加下さいますようお待ちしております。

早稲田応化会中部支部支部長 三島 邦男
  1. 開催日時:2017年4月15日(土) 受付15:30より
  2. 場 所:北京料理「百楽」名古屋店14階会議室(JR名古屋駅桜通口より徒歩3分)
  3. 支部総会:16:00~16:30
    • 平成28年度事業実績報告
    • 平成29年度事業計画について
  4. 交流会:16:30~18:00
    • 題目:“縄文人の食卓~同位体食性分析~”
    • 講師:吉田邦夫氏
      東京大学大学院理学系研究科博士課程 理学博士
      東京大学総合研究博物館教授を経て同館特招研究員
  5. 懇 談 会:18:00~20:00
    「百楽」15階ホールにて開催(会費4,500円)
  6. お申し込み →こちらから
    勝手ながら、来る4月7日(金)までに申し込みをお願いします。
  7. 問合せ先 中部支部幹事 堤 正之m.tsutsumi@fuga.ocn.ne.jp 
以上

第13回中部支部交流会報告

2016年10月15日(土)「名古屋ダイヤビル」にて、第13回交流会を開催した。
交流会のプレゼンターは、長年生化学分野で研究活動をしてこられた、岐阜大学生命科学総合支援センター特任教授木内一壽氏にお願いした。

木内一壽氏による講演「海馬と記憶とアルツハイマー」の要旨

生命の活動を制御している脳について、その”不思議な部分”や”アルツハイマー病の回避”などに新たな解明が進んでおり、その内容が紹介された。プレゼンテーションの要旨は以下の通り。
詳細は講義資料(pdf;27MB)

  • ①神経細胞(ニューロン)の詳細な構造、神経信号の伝播機構、およびニューロン間の接合部を構成する“シナプス”の構造と、電気信号を化学信号に変えニューロン間の情報伝達する、神経伝達化学物質の分類と各々の役務についての説明があった。更にヒト脳の進化の歴史や何故進化出来たかについての“ネオテニー論(幼形熟成論)”並びに遺伝子の重複による脳の大型化について、ゴリラやチンパンジーと比較し、顎筋肉の発達差や言語の進化差を事例引用し説明された。
  • ②人間とチンパンジーを比較すると、ゲノム遺伝子の相違が1.23%および言語の進化に関わる唯一の遺伝子(転写因子FOXP2)は両者の差は僅かにアミノ酸2個の違いでしかない事。又人間同士の比較では、遺伝子相違が0.1%異なることで、人それぞれの異なる個性が作られているとの説明があった。
  • ③ 海馬と記憶の関係は、記憶の内容による分類と分類された記憶の脳内記憶エリアの説明がなされた。陳述的記憶(意味記録、エピソード記憶、作業記憶)は海馬に、非陳術的記憶(記憶の内容を言葉で記述することが出来ない記憶)は小脳へおよび思い出せない記憶(直感的なもの)は側頭葉に刻まれるそうである。
    記憶に重要な役割を占める海馬について、その詳細な神経ネットワークをマウス海馬画像などにより説明された。新しい情報が記憶されるには”シナプス伝達効率の変化(可塑性)“と”長期増強(LTP)“が必要で、その基本概念が示された。
    海馬に一時的に置かれた記憶を、大脳皮質にしっかりとした記憶として移動記憶させるには、強い刺激による伝達効率の変化(可塑性)を高頻度に与えることが肝要であると述べられた。
  • ④海馬に記憶された新しい情報を大脳皮質へ移動させ確かな記憶として強化させる時間は、長いケースで2年にもおよぶ。それには睡眠の深さが関係しており、ノンレム睡眠(ステージ1の脳波=シータ波)時に、海馬と大脳皮質の間でニューロンの発火パターンの繰り返し再生が最も盛んとなり記憶強化作業が行われている。
  • ⑤“アルツハイマー病”への予防策として、以下の新しい知見を述べられた。
    • PET画像診断によればアルツハイマー病の発症原因であるアミロイドβの蓄積は発症する10~20年前に既に始まっている事。
    • 前脳基底部に投射しているアセチルコリン神経系は、場所と対象物の認識記憶に深く関わっている事が証明され、再認記憶障害の原因解明が進んでいる事。
    • 認知症の重症化には、睡眠と切っても切れない関係が存在する。患者に特有の睡眠に関わる3つのハンデキャップ、即ち、「目覚める力が低下する」、「体内時計が壊れる」及び「眠る力が弱まる」が、質の良い睡眠リズムの維持により得られるアミロイドβの分解効果に悪影響を与える事。従って、日中は30分以上の睡眠はとらずに夜規則正しく良質の睡眠をとることが肝要である事。
    • メリハリの無い日常の活動リズムも認知症への進行リスクを高め、軽度の認知症から認知症への進行予防は、定期的な有酸素運動(60分程度週3回)と、脳科学の見地から人としての“ネオテニー” (好奇心や遊び心)を保つことが肝要。
  • ⑥最後に、新しく開発された治療薬(アデュカヌマブ)並びに聴覚機能の回復やパーキンソン病の治癒方法として実用化が始まったBMI法(機械の信号を脳に送り込み脳の活動を刺激制御)を紹介されプレゼンを終えた。

出席者の関心の高いプレゼンテーションで、「思考力」はどのような神経活動に基づくのか?或いは「時の記憶」はどのようになされるのか?などの数々の活発な質疑応答で交流会を終えた。

Fjords

講演する木内教授
交流会風景

交流会風景
集合写真

全員写真

交流会終了後、いつもの喫茶店に席を移し懇親を深めた。秋山健氏、新村多加也氏および大高康裕氏よりスピーチがあり、いつものように和気あいあいの懇親会でした。

参加者(敬称略)
(講 師)木内一壽(新24回)
(中部支部会員)澤田祥充(旧31回)、近藤昌浩(新9回)、三島邦彦(新17回)、堤正之(新17回)、白川浩(新18回)、後藤栄三(新19回)、柿野滋(新19回)、秋山健(新19会)、小林俊夫(新19回)、友野博美(新22回)、山崎隆史(新25回)、藤井髙司(新36回)、新村多加也(新39回)、大高康裕(新41回)、加藤毅之(新57回)以上16名。

(文責 堤)