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第24回 先生への突撃インタビュー(花田 信子 講師)

「先生への突撃インタビュー」に花田信子講師にご登場願うことにしました。

今回はコロナの影響と花田先生が産休に入られる直前でもあり、Zoomによるリモートインタビューを学生2名、現役OB1名、シニアOB1名の組み合わせで行いました。

花田先生には、新しい試みのリモートインタビューに快諾を頂き、また、丁寧に原稿の作成に協力を頂きましたことをこの場をお借りしてお礼を申し上げます。

花田 信子 講師

花田講師略歴: 略歴

  • 2001 年 広島大学総合科学部総合科学科卒業
  • 2005 年 広島大学大学院先端物質科学研究科量子物質科学専攻博士課程修了 博士(学術) 2005 年 広島大学自然科学研究支援開発センター 産学連携研究員
  • 2006 年 ドイツ・カールスルーエ研究所ナノテクノロジー研究所 客員研究員
  • 2008 年 上智大学理工学部機能創造理工学科 研究プロジェクトポストドクター
  • 2010 年 筑波大学大学院システム情報工学研究科構造エネルギー工学専攻 助教
  • 2017 年 早稲田大学先進理工学部応用化学科 講師

・先生が研究に本格的に取り組み始めたキッカケはなんですか? 
   ―理数系から、物理・化学に興味が移り、世の中に役立つ可能性を感じてエネルギーを選び、次第に深く追及したいと思うようになりましたー

小学校から高校までバスケットボールを部活で続ける、ごく一般的な過ごし方をしてきましたが、勉強に関しては、中学・高校では、数学や理科(特に物理)の方が好きで得意でした。特に数学は母親が中高の数学の先生をしていた影響もあり、試験前などに応用などの難しい問題は質問をして、全ての問題を最後まで解いてから試験に臨むなど、じっくり考えることが好きになりました。高校では、理系に進みましたが、大学に行くときに数学の方に行くか理科の方に行くかに迷っていました。数学は、答えが一義的に決まることに魅力を感じていましたし、理科の方は、自然現象を数式でシンプルに表すことができることや、普段見えない自然の成り立ちを理解できるということに魅力を感じていました。 大学を選ぶときには選びきれずに、入学してから専門を選べる学部を選びました。大学の1年生の授業で初めて、燃料電池や水素エネルギーなどのことを知り、それまでは物理・化学は自然の原理を説明する道具だと思っていたのですが、新しい材料やエネルギーシステムを作ることで 世の中に役に立つようなことができるかも知れないと思いました。それがきっかけで、物理や化学を学ぶコースに進み、特に物理を主専攻としました。4 年生になって、その興味のまま物理・物質科学を専門として水素貯蔵材料を研究している研究室に入りました。研究室に入ってからは、水素貯蔵材料の中でMg 合金の研究かもしくはグラファイトの研究かを選ぶことになりました。その時は、Mg合金の方がいろいろな元素を組み合わせて機能を引き出すのが面白そうと思いそちらを選びました。初めは先生の提案をそのまま実験して、結果が出てくると自分でも少しずつ次にどうすれば良いかを考えられるようになり、また議論を重ねて次の実験をするとまた結果がどんどん出てくるというのが面白かったです。博士号まで取得して、その後海外や国内の大学や研究所を転々としました。特に、海外(ドイツ)に行ったときにはこれまでは物理をバックグラウンドとした分野にいたのですが、化学をバックグラウンドに持つ人がグループに多く、同じ水素貯蔵材料の研究でもアプローチの仕方が違うことに気づきました。逆に、海外であっても物理・化学の同じ学問をお互いベースに持っており、対等に議論ができることに嬉しく思いました。その後の所属が変わっていく中でも同じテーマで研究を続けていますが、機械、電気、化学工学などの視点を変えると違う要素を組み合わせて新たな展開ができることが面白いと感じています。

 ・技術的内容で先生がポイントと考えておられる点はなんですか? 
    ―基礎と応用の両面での深堀でしょうかー

 エネルギー関連特に水素エネルギー関連の研究をしています。研究自体は、常に基礎と応用を見 据えるものです。特に、この分野は2つが常に交錯しています。基礎的な面では、物理や化学の法則に従って、きちんと材料設計をしていくことがとても大事です。また物理的、化学的、数学的に反応のメカニズムを説明することで、そのメカニズムから物質や反応の機能を引き出すことができます。さらに、設計した材料の特性などを実験的にきちんと確かめることも大事です。一方で、それを社会に実装するには、物質機能のチャンピオンデータを狙うだけでは実現できず、本当に必要な機能はどのようなものかを考える必要があると思っています。それをシステムや プロセスに組み込んで応用する際に、どのような課題があるのか、もしくは既にある材料を用いても良いのでどれくらいの性能が必要かを考えて、アプローチした研究も同時に行っていくことがポイントだと思っています。

 ・先生の研究理念を教えてください。  
  ―物理と化学を幅広く組み合わせながら研究を進めること―

 物理・化学の法則を基本にしてこれまでに、いろいろな材料や技術が開発されてきています。 このような人類が積み上げてきた知見や研究に対して、現代の新しい視点や違う分野から新しい要素を組み合わせて、面白い機能や材料、システムを作ることです。自然現象は、物理・化学 の法則で支配されているので、その枠組みの中で、どれくらい新しい組み合わせができるかが研 究だと思っています。また、これまでにある材料やプロセスを組み合わせて新しいシステムなど を作る際にはできるだけシンプルなものを構築したいと考えています。これは、システムの反応 器や操作が少ない方が最終的にはエネルギー消費が少ないということにも繋がっていきます。

・関連質問ですが、物理が苦手で化学を選んだという学生も多くいたように思いますが?花田先生の感触は如何でしょうか?

 物理は止まっている物質の本質の解明で、化学は反応という動いているものの解明と考えられます。物理を意識しすぎることなく、物理化学を活用できるようにすれば良いのではないでしょうか。

・これからの研究の展望を聞かせてください。  
   ―研究の成果を社会システムに実装していきたい― 

これまでの基礎的な材料研究に加えて、早稲田大学に来て化学工学部門に所属していることも あり、化学工学を取り入れた研究を始めました。先ほども述べましたが、水素エネルギー分野(エ ネルギー分野全般があてはまると思いますが)では、材料に対しては原子レベルのナノサイズで の設計に加えて、粒子レベルのマクロサイズでの設計、さらに材料(デバイス)同士を組み合わせたシステムなどの設計が要求されます。システムを使う場合に、その中で使う材料はどのような 機能が必要かをきちんと理解して、課題に取り組んでいきたいです。さらに、こういう面白い(も しくは機能的な材料)があるけど、これをどのようなシステムに組み込めば有益なものができるかなどを発信して、展開していきたいと思います。また、幅広く知見を深めるためには学会への 積極的な参画が有用だと思います。 ・応用化学会の活動への期待を聞かせてください。 ―会の構成の素晴らしさを活かし続けて欲しい― これまでにいくつかの大学の組織に所属してきましたが、応用化学会のような教員、学生、OB の方が一体となって、アクティブに活動している組織というのは他で見たことがありません。こ のように、卒業生の皆さんがここまで結束して大きな組織を作り、学生や教員と活動していることは学科の大きな財産だと思います。社会で活躍されている OB の方々の講演会などが多くあり、学生がこれから出ていく主に化学メーカなどを中心とした世の中でどのようなことが話題 となっているかを肌で感じられることはとても素晴らしいと思いますので、これからも継続して頂きたいです。

・100 周年を迎えた応用化学科についてコメントを聞かせてください。 
   ―伝統を重んじつつ新規の創出の流れを大切に―

 100 年という月日の長さに重みを感じます。その間に、それぞれの研究室で分野の伝統を守り、 その時代に必要な人材を輩出していったことが素晴らしいと思います。これからも、その良き伝 統を守り、皆様からの激励に答えること、また時代は変化していっていますので、この新しい時 代に必要なことを取り入れて、社会に求められるような人材を育てていきたいと思います。

・21 世紀を担う皆さんへのメッセージをお願いします。 
   ―柔軟な対応力で 21 世紀を生き抜いてください―

 応用化学科には、世界で活躍している教員が大勢在籍し、その姿を目の当たりにできます。また、 学生のレベルも高く、お互いに切磋琢磨できる環境が整っています。また、東京にある大学とい うことで、自分で情報をとりに行かなくても自然に耳に入ってくる情報などもたくさんありま す。自分のやりたい分野や興味の方向を見極めて、大学の研究ではそこに集中して欲しいと思い ます。また、21 世紀の社会の情勢は目まぐるしく変化して行っているので、その情報を常に取 り込みながら、柔軟な対応力を身に付けていって欲しいと思います。また、機会があるなら早い 時期に半年以上、研究なり社会での活動なりで海外を経験して欲しいですね。

インタビュアーたちの感想:

花田先生の産休直前でしたが、初めてのリモートインタビューに快く対応頂き、感謝をしています。花田先生には、女性研究者として、また家庭人、母として、応用化学に多くいる女子学生の参考になって欲しいと強く思いました。

インタビュアー:真野陽子(新 47)、疋野拓也(修 1)、小野文雄(学 3)、井上健(新 19)

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新制36回オンライン同期会開催報告

新36回 On-line同期会

2020年6月27日(土)開催

6月27日(土)に1986年学士卒業および1988年修士修了の新制36回期は、2017年の第1回同期会から3年振りにZoomを利用したオンライン同期会を開催しました。
今回はメールで連絡が取れる仲間に協力してもらい、語学クラスや研究室の仲間に連絡を取り合ってもらう事で連絡網を作成しました。
同期120名のうち約50名の連絡先を確認し、最終的に17名の参加となりました。
オンライン同期会は、遠方の仲間が気軽に参加出来る点が最大のメリットであり、卒業以来久しぶりに再会した仲間、学生時代あまりお付き合いのなかった仲間とも話すことも出来て楽しく有意義な会となりました。
皆さんから卒業以来の業務、趣味、家族、運動不足解消で始めた運動、転職、応化会活動、コロナウィルス対策などの近況報告があり、予定の2時間はあっという間に過ぎて、有志でさらに1時間延長して歓談しました。
「つながる」というのは大事で、久しぶりに仲間と連絡を取り合えた事は、コミュニケーションを広げる意味で大きな成果だったと思います。
今後、同期会で飲み会、ゴルフ、早慶戦観戦など交流活動のリクエストもありましたので、企画して参りたいと思います。
今回参加出来なかった同期の皆様、次回は是非ご参加ください!
(参加者(敬称略):相田、井村、臼田、梅澤、加藤(幾)、叶内、北岡、兒玉、鈴木、高橋、辻浦(矢内)、原、原村、廣渡、古川、水野、椎名)

(文責:幹事 椎名 聡)

2019年度応用化学専攻褒賞、奨学金受領者

毎年3月に開催される各賞の授与式は、コロナ禍の中であったため開催されませんでした。
本年度の各賞の受賞者は下記の通り。

奨学金と褒賞の記録

水野賞・水野奨励賞・水野敏行奨学金

水野賞(*水野奨励賞)
諏訪 康貴、梅澤 覚、王 宇、斎藤 晃、堀 圭佑、鈴木 伸*、町田 慎吾*

水野敏行奨学金2020

該当者なし

早稲田応用化学会給付奨学金

金子 健太郎(野田研)

応用化学科褒賞

安井浩太郎

中曽根荘三奨学金

諏訪 康貴(一貫制3年)

里見奨学会奨学金

D2林宏樹 
D1任天楚 
D1小松田雅晃  
M2宇田川裕太郎 
M2藤野康輝
M2齊藤杏実
M1加藤弘基 
M1黒澤美樹 

森村豊明会奨励賞

  学部2年 岡大智、千葉秋宜
  学部3年 五十嵐優翔、常川慶乃
  学部4年 蛭子蒼太、足立裕樹
  修士2年 淺原光太郎、金子健太郎

2020年度応用化学会総会・先進研究講演会 延期のお知らせ

早稲田応用化学会 会長 西出 宏之

平素 早稲田応用化学会の活動にご理解を賜り、ご支援・ご尽力を頂き誠に有り難う御座います。2020年度応用化学会総会、先進研究講演会、交流会は5月23日(土)13時30分よりの開催でご案内申し上げましたが、新型コロナウイルス感染の影響拡大による社会情勢と学内規制、そしてなにより御参加くださる皆様の健康被害を防ぐ為、延期とさせて頂きます。
尚、延期後の日程、並びに開催内容につきましては、改めまして早稲田応用化学会の本ホームページ”、及びメール配信等でお知らせ申し上げます。
今後とも早稲田応用化学会にご協力を賜りますようお願い申し上げます。尚、会員の皆様におかれましては一層のご自愛の程、お願い申し上げます。

以上

第34回早桜会懇話会の報告

関西支部(早桜会)第34回懇話会報告

第34回早桜会懇話会を2020年2月15日(土)15時~17時、中央電気倶楽部(大阪堂島浜)にて開催しました。
今回の講師は2007年から小学校で理科実験の指導を続けておられる市橋 宏氏(新17回)で「小学校理科教育の現状と課題」と題して、豊富な経験を基に現場の状況とそこから見えてくる課題について話されました。
出席者間で活発に意見交換がなされ小学生の理科離れについて認識を新たにしました。以下に要点を記します。
1.なぜ理科離れが起こったか
1)理科授業時間の削減
40年前までは5年生で年間140コマ理科の授業があった。しかし1980年からは105に、2002年からは95に減り、2009年からは105コマに戻ったが昔と比べると時間数が25%も減ったままである。教えることが増えているのに時間が少なくなって、実験に十分な時間を取り難くなっている。
2)教員の質の変化
小学校教員の80%が理科に苦手意識を持っている。一方で子どもの80%は理科実験が好きであるとの報告がある(日本科学教育学会 科教研報Vol24, No.2, 95)。

近の教員はおそらく小学生時代に十分な理科実験を経験していなかったため実験を敬遠し苦手意識が生まれているのであろう。
2. 理科授業の支援
小学生の理科離れ対策として文部科学省は2007 年から理科支援員等配置事業を始めた(予算20億円)。これは小学校5,6年生の理科授業に大学院生や会社、学校のOB/OG を理科支援員として教育現場に立たせて理科実験を充実させ、合わせて教員のスキルを向上させること目的としていた。大いに意義のある事業と思われたが、2009 年行政刷新会議事業仕分けで廃止と結論され中止になった。この事業は子どもたちに理科の魅力を伝え、教員の指導力を高め、OG/OB技術者に退職後も社会と繋がりを持って生活に張りを与えるよい場であったが今はない。
3.小学校理科教育を充実させるために
 実験が苦手の教師と実験大好きな子どもたちとのミスマッチを改める必要があると思うが、教師の苦手意識を変えることは容易ではない。理科離れ世代、ゆとり教育世代が教員になり始めており、(理科時間数の削減)→(理科離れ)→(理科離れ世代の教師)→(理科教育の弱体化)→(理科離れ)と負のスパイラルが始まっているように思う。
小学校ではクラス担任が全ての教科を教えるのが原則である。理科の前後に別の教科の授業があれば、教員は準備も後片付けも出来ないし予備実験で確かめる時間も取れない。従って実験は最小限になり知識として教える授業が中心になってしまいがちである。実験で子どもたちに好奇心を掻き立て、自分の頭で何故だろうと考え、学びの意欲を高めるタイプの指導をすればよいものを、多くの学校で知識注入型の授業になっているように思う。これでは子ども達は面白くない。理科を学習する意欲も湧かない。おそらく今後も理科苦手意識の教員は増え続けるであろう。どこかで悪循環を断ち切らねばならない。
教科専任制が好ましいと思い、これまでいろいろな機会でことに理科については専任制であるべきと主張してきた。幸い2019年4月に文部科学省は中教審へ小学校における教科担任制を諮問したので、近い将来理科を得意とする教員が十分な科学実験を取り入れ授業を進めるようになるだろうと期待している。しかし理科に長けた教員を確保することは容易ではなく、教科担任制が効果を発揮するまでには相当の時間を要すると思われる。
理科支援員を経験して積極的に小学校理科教育を支援しようと考えるOG/OB が少なからずいることに気付いた。数年前に終了となった理科支援員等配置事業を復活させることが出来れば有効な手立てと思うが、ボランテアを活用する手段もあると思う。行政機関の中にボランテアを受け付ける窓口を用意し、希望する小学校へ派遣する制度を作りシニアエンジニアを活用するなどどうであろうか。会社や大学のOG/OB 技術者、小中高等学校で理科を得意としたOG/OB 教員が小学校での理科授業(特に実験)に加わりボランテアとして積極的に支援するシステムを作ることを提案したい。

(文責 新53回 澤村)

出席者: 
津田實(新7回)、市橋宏(新17回)、井上昭夫(新17回)、田中航次(新17回)、加藤文義(新20回)、岡野泰則(新33回)、斎藤幸一(新33回)、高田隆裕(新37回)、中野哲也(新37回)、高島圭介(新48回)、遠藤文子(新50回)、數田昭典(新51回)、澤村健一(新53年)、陳鴻(新59回)、古田武史(新61回)

懇親会 風景

第15回評議員会報告(2019年10月19日開催)

下村基盤委員長 司会

第15回評議員会が2019年10月19日(土)14時より西早稲田キャンパス55号館N-1大会議室で基盤委員長の司会により開催されました。評議員35名、関係者含め総勢48名の出席をいただきました。ここのところ、50名程度の参加をいただいておりますが、最近では学生委員の評議員の参加が多く、若い方々の意見が多くでました。

西出会長挨拶

西出会長挨拶

三浦会長から引き継ぎ、1年関経過した。若手の学生、若いOB・OGの組み込みへの支援。シニアの会、グランドシニアの会、奨学金の受給者の学生たちの意見交換会の開催と活発に活動されている。応化会の活動のもとになる予算規模は1200万円、収入は会費とイベント開催の手数料の徴収からなっている。イベントは学生さんの将来を決めるための企業からの情報を学生に橋渡しする活動。
私の任期は今年度ということで、来年度は濱さんにバトンタッチの予定。事務局の寺嶋さんも引き継ぎの段階にあり、持田さんがこの八月から事務局2人の体制となっている。
同窓会として名簿、会員の情報を把握し、かつ会費を確実に払っていただけることが各位大きなミッションである。2023年の100週年に向けて、その先の100年に向けて発展するためには特に大事になっている。
評議員会の出席は卒業してしばらくの間が良くない。母校に思いを寄せて貰える年代なって増えてきている。若い学生をエンカレッジするようにして頂きたい。 

委員会活動報告

下村基盤委員長、椎名交流委員長、井上広報委員長代理より報告がありました。

意見交換会

 若手、シニアを混合した4グループに分かれて「次の100年にむけた応化会の取り組み」と題して特に今後の会費納入方法の新たな追加等について等の意見交換を行い、最後に各グループから発表をしていただきました。
なお、会費納入方法追加の方向性につき前向きにとらえていただいた。

 

懇親会は16時30分から56号館カフェテリアで門間先生(学科主任)のご挨拶、橋本副会長の乾杯で始まり、ここでも活発な意見交換が行われました。最後に黒田先生(副会長)のご挨拶があり、学生委員の田中亮祐さんの一本締めでお開きとなりました。

 

第14回評議員会報告 ⇒ こちら
第13回評議員会報告 ⇒ こちら
第12回評議員会報告 ⇒ こちら
第11回以前の評議員会報告は、こちら

(文責 基盤委員会 下村 啓、写真 広報委員会)

2020年度定期総会・先進研究講演会・交流会(懇親会)のご案内

早稲田応用化学会会員の皆様へ

2020年2月            
早稲田応用化学会 会長 西出 宏之

今年は5月23日(土)の開催といたします。応用化学科の研究に関する理解を深めて頂くために、昨年に引き続き応用化学科と共催で先進研究講演会を企画いたしました。万障お繰り合わせの上、ご出席いただきますようお願い致します。

出席申込は、ご指定の住所へ4月末に応用化学会会報101号と共に送付いたします 「返信 用記入用紙」で返信頂くか、”こちら”からお申込下さい。

尚、個人情報に変更のある方は、必ず 会報同封の「返信用記入用紙」の個人情報を修正頂き返送下さい。

日 時:  2020年5月23日(土)13:30-18:30
場 所:  早稲田大学西早稲田キャンパス
 57号館 2階教室(受付・会場) ※予定:変更する可能性があります。
 63号館1階ロームスクエア (交流会)

※定期総会          13時30分~14時30分 

※先進研究講演会  14時45分~16時45分

「応用化学最前線-教員からのメッセージ」 プログラム

14:45-15:15    福永明彦教授    応用物理化学部門
15:15-15:45 ゲガンレジス准教授 無機合成化学部門
15:45-16:15 小堀深専任講師   化学工学部門
16:15-16:45 黒田一幸教授    無機合成化学部門

※交流会(懇親会)  17時00分~18時30分 
             懇親会費 3,000円(夫婦同伴の場合 5,000円)

総会会場、懇親会場では応化会ホームページ掲載用の写真を撮影いたしますのでご了承願います。

以上

第23回 先生への突撃インタビュー(須賀 健雄 専任講師)

「先生への突撃インタビュー」に須賀健雄専任講師にご登場願うことにしました。今回は学生3名、シニアOB1名の組み合わせでインタビューをしました。従来を踏襲して、応化会の本来の姿である先生・学生・OBの3者によるインタビュー記事の作成を目指しました。須賀先生にも快諾を頂き、丁寧に原稿の作成に協力を頂きましたことをこの場をお借りしてお礼を申し上げます。

須賀 健雄 先生

須賀先生のプロフィール:

2003年 早稲田大学 理工学部 応用化学科卒業  
2005年 早稲田大学 理工学部 助手
2007年 早稲田大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻 博士課程修了・博士(工学)
2007年 バージニア工科大学 化学科 博士研究員 (Timothy E. Long group)
2008年 早稲田大学 先進理工学研究科 次席研究員
2012年 早稲田大学 高等研究所 助教(テニュアトラック)
2016年 早稲田大学 先進理工学部 応用化学科 専任講師
  1. 先生が研究に本格的に取り組み始めたキッカケはなんですか?
    ―小さい頃は熱中タイプ、大学以降は選んだ高分子の研究に夢中で取り組んだ結果でしょうか?―

小さい頃からいわゆる「理科好きな少年」ということはなかったのですが、興味を持つとのめり込むタイプで、文理問わず、例えば歴史、国旗、国名、星座などの本を毎日のように読み、調べて、気づいたら全て覚えてしまうような子でした。今では国際学会や共同研究を通じて、かつて覚えた色々な国を訪ね、世界中に研究仲間が広がり、その過程で各国の文化を知ることもできるのも、今の仕事の魅力の一つだと思います。

また、応用化学科に来る学生さんの多くも環境問題(温暖化など)の解決などに関心を持った経験があるのではないかと思いますが、私も小学5年生の頃に興味を持って色々な本を読んでいたのを覚えています。

中学生になると暗記ばかりの社会に飽きて、理系科目が好きになり、将来は理工学部に行くと勝手に決めていました。中学1年で習う無機塩の溶解度や溶液の色が何で決まるのか不思議に思い、その理由を聞いては先生を困らせていた気がします。高校でも理科部などとは無縁の体育会系の部活に入っていましたが、部活も勉強も好きなものを好きなだけ学べる自由な環境の付属高校でしたので、毎朝図書館でブルーバックスなどをよく借りて読んでいたのを思い出します。物理も化学も好きで進路選択は迷いましたが、実験が好きで、得意科目でもあった化学を選びました。応用化学を選んだのは大学の模擬講義で応用化学科の先生方の講義を聞いたのもきっかけです。

応用化学科に入り1-3年生では毎週の実験とレポートに追われる日々を過ごし、基礎力と忍耐力をつけながら、研究室選びについては元々有機化学が好きだったこと、新しい機能を持つ有機材料を分子設計して合成から物性評価まで一貫して研究できるところに魅力を感じて、高分子化学研究室(当時 西出・武岡研)に配属先を決めました。当時は西出先生が磁性高分子として長年先駆的に研究されてきた「ラジカルポリマー」を違う視点で捉え直し、重金属フリーなプラスチック二次電池の電極として新しく展開を始めた時期でもあり、そのテーマの一期生となった私は新しいテーマにワクワクして実験漬けの毎日でした。当時の研究室は体育会系の部活のような厳しさもあり、隣の実験室に入る時には「失礼します」と断ってから入室するのですが、「声が小さい、やり直し!」と奥から先輩の声が飛んできて、「失礼します!!」と挨拶し直して入るくらいでした。修士の頃には毎週月・水・金は泊まり込み、夜中も2時間ごとに起きては測定して…というような生活で、部屋が明るくても装置の音が鳴っていても寝られるようになりましたね。

大学の研究というと、皆さんは実験室に閉じこもって基礎研究だけしているイメージかもしれませんね。学術的な基礎研究が大切なのはもちろんですが、私の場合は、博士課程の頃に、電機メーカー1社、化学メーカー2社、塗布プロセスを担当するメーカー1社と連携しながら共同研究を進める中で、各企業の視点にも触れることができ、どこか1社のために仕事する、というのではなく知の中継点として多角的な視点で風通し良く技術開発を深められる場としての大学研究の魅力を感じました。

 研究者としての道を考えるようになったのは、博士研究として取り組んだ、正・負極ともラジカルポリマーからなる全有機二次電池が達成できたこと、国際学会や訪問される海外の研究者との交流を通じ国際共同研究の機会を得たこと、また研究室の先輩方が海外でのポスドクを経てアカデミックな世界で活躍していたこと、などが理由です。一方でアメリカでのポスドク時代に出会った仲間と実験漬けの日々を過ごしながら、何度も大学研究者を続けることの意味、意義、大学での教育者としての役割を議論したのを今でも覚えています。

  1. 技術的内容で先生がポイントと考えておられる点はなんですか?
     ―実用性を外さない高分子材料―

高分子材料は、プラスチック、ゴム、繊維など、身の回りの素材として我々の生活には欠かせません。またスマートフォンの中の先端機能材料や生体機能を持ったバイオマテリアルでも高分子材料は活躍しています。早稲田の高分子は伝統的に機能性高分子を研究対象としており、私自身の研究の対象も二次電池の電極、有機太陽電池、メモリ素子、センサーや機能性コーティングなど出口は色々と派生してきていますが、軸としては有機低分子化合物ではなく「高分子だからできること」「高分子らしさ」を追求した分子・材料設計にこだわり、特に高分子の好き嫌いで集まり自己組織化して形成される「ミクロ相分離構造」を制御と機能発現の相関に興味を持っています。無機化合物の結晶ではなく、ぐにゃぐにゃとした、いい加減そうな高分子という鎖の分子が集まっているのに、結晶のように美しい模様が現れます。精密に分子をつなぐことができる高分子合成技術を磨くとともに、電子やイオンの伝導、絶縁性、親水・疎水性、反射特性、熱伝導性など、求められる機能は官能基1つで決まるのではなく、それら分子・官能基がどのくらいの大きさ(数十nmからサブミクロン)でどのように集まり、その配向性はどうなのか、界面はどうなっているのか、など1つ1つ次元を制御した設計で協同的な機能発現につながります。また、その一方で、凝りすぎて使い物にならない研究にならないよう、産業界から見ても素材、プロセス両面で魅力ある高分子材料を提示していけるよう、「その場反応」もキーワードとして研究しています。例えば、従来のUV硬化と同じ装置、プロセスを適用しながら、高分子設計を一工夫するだけでナノ構造がその場で作り込めるコーティングや、海に入れておくと自然にCO2を取り込んで防汚塗料となるようなコーティングです。

  1. 先生の研究理念を教えてください。
     ―俯瞰と深化の積み重ね―

理念、と呼べるものかわかりませんが、研究(活動)は先人たちの弛まぬ努力と知見の蓄積があって現在に至っていると思います。大学の研究は0から1を生む、基礎研究を担うところ、ともよく言われますが、自分の経験の中では、異分野では知られた概念・コンセプトであっても自分の研究領域で、自分の視点で捉え直してブレイクスルーした研究というのが実際は多いと感じます。それを0から1と呼ぶのはおこがましい気がしていて、自分の中では1ないし2から3,4へと繋いでいるに過ぎない、と思って研究に取り組んでいます。もちろん誰よりも早く、人が気づかない視点・切り口で研究展開することが、オリジナリティに繋がるのは言うまでもありません。その意味で1ないし2に相当する技術課題の選び方にはこだわっています。学生の教育という意味でも、同じようなテーマに偏らないよう幅を広げつつ、日々格闘中です。周辺分野も俯瞰しながら謙虚に研究を継続していくことが次世代のための学術的な蓄積にもなると信じています。

長期的に見て社会的な課題解決につながる研究に発展できたらさらに良いですね。

  1. これからの研究の展望を聞かせてください。
    ―社会的要請度の高い課題に貢献―

 高分子の素材としての可能性は無限です。機能に対する要求も際限はなく、それを分子レベルで設計して、合成化学を駆使して作り出し、特性評価まで一貫して取り組むことでまた次のアイデアが湧いてきます。産業界との連携も深めながら知の中継点としての大学の役割を果たしながら、新しい課題に取り組み、それを通じて学生の学びの場を提供していきたいと思っています。また海洋プラスチック問題などメディアの取り上げ方もあって高分子材料に対する皆さんの見方も厳しくなる中、社会的要請度の高い課題に対し私たちの研究がどのように貢献できるのか、今まで以上に研究者・教育者としての役割が問われていると感じています。一歩一歩取り組んでいきたいと思います。

  1. 応用化学会の活動への期待を聞かせてください。
    ―幅広い年代層による相互刺激―

シニアなOB, 若手OB, 現役の学生委員の活動がうまく噛み合い、交流できる各種イベント、講演会も数多く開催しており、学内外で見ても本当にアクティブなOB会組織だと思います。「先輩からのメッセージ」をはじめ、就職活動の面からも先輩方の活躍する姿を見て、また直接話を伺うことで、学生に良い刺激になっていると思いますし、また卒業後は若手OBとしてそれを還元する立場として帰ってきてくれるのも嬉しく思っています。教室教員としては日々学生の教育、研究に力を注ぎ、育てるのが役割ですが、応化会の活動を通じて、社会の目から見た位置づけを学生が感じる機会を多く提供頂いていると思います。忙しい30-40代の中堅世代の関わりが少し薄いことに私自身も少し責任を感じますが、今後も応化の伝統を引き継ぐ組織として大切にしていきたいと思いますし、また新しい企画が出てくるのを楽しみにしています。

  1. 100周年を迎えた応用化学科についてコメントを聞かせてください。
    ―人材育成の重みを感じつつ次に繋げたい―

2017年の100周年記念会にも参加し、多くの祝福を受け数多くのOBを見て、改めて伝統の重みを感じましたし、一員として、また教員として応用化学科の学生を育てていくことの責任を強く感じています。高分子化学研究室としては西出先生の先代に当たります土田先生が逝去された折、偲ぶ会に300名ほどお集まり頂いたOB/OGの姿を見て(その数は先生が育てられた数の一部に過ぎない訳ですが)、大学教員というのは、一生を懸けてこんなにも多くの人たちと関わり、そして研究者・技術者の卵を、産官学で活躍する人材へと育て、輩出する大切な職業だと感じました。その責任の重みを感じつつ、日々接する学生との関係を大切に過ごしていきたいと思っています。

  1. 21世紀を担う皆さんへのメッセージをお願いします。
     ―自分に見合った化学の領域を見つけてほしい―

応用化学には魅力ある研究を進めている先生方が皆さんを待っています。是非自分の興味を持った化学をそれぞれ見つけ、濃密な実験、研究を通じて方法論と考え方を学び、社会の課題解決に化学の視点で取り組む研究者・技術者になってほしいと思います。

参考情報: 
   https://www.waseda-applchem.jp/ja/professors/suga-takeo/

インタビュアー&文責: 疋野拓也(4年)、佐藤由弥(3年)、
西尾博道(3年)、井上健(新19回)  

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過去の突撃インタビュー

第33回早桜会懇話会の報告

第33回早桜会懇話会を2019年12月7日(土)に中央電気倶楽部にて開催いたしました。

今回の講師には前田泰昭先生(新14回、大阪府立大学 工学部名誉教授)をお迎えし、「右手(研究費)と左手(趣味)の研究」と題して、原料をカスケード利用して軽油より安価なBDF(バイオディーゼル燃料)とバイオマス化成品を製造するプロセスの開発を中心に、ご講演いただきました。
前田先生は、ゴムの実を始めとするバイオマスからバイオディーゼル燃料への転換をテーマに、ベトナムを拠点に長きに渡りご研究されております。バイオマス由来燃料の最大の課題は、現行の石油由来燃料と比べ経済的に不利である点であり、燃料化の過程で得られる残渣の高付加価値利用が必要です。

今回のご講演では、燃料化プロセスの残渣から得られる金属石鹸やリノレン酸油といった有用成分を見出すことに成功し、ビジネス化に向けてプロセスのスケールアップを進められていることをご紹介いただきました。

講演終了後は、再生可能エネルギーへの関心の高さから、活発な議論が行われ、今後の技術展望に向けて各企業・大学等の立場からメンバー間で意見交換するなど、非常に盛り上がる会となりました。
懇話会終了後は、松方教授がボーカルとして出演されるWinter liveに向かい、懇親を深めました。(文責桜井)

出席者
前田泰昭(新14)、津田實(新7)、井上征四郎(新12)、市橋宏(新17)、井上昭夫(新17)、田中航次(新17)、篠崎匡己(新30)、斎藤幸一(新33)、高田隆裕(新37)、中野哲也(新37)、古谷敦志(新38)、髙島圭介(新48)、數田昭典(新51)、澤村健一(新53)、桜井沙織(新64)

企業ガイダンス更新

下記の企業ガイダンスを更新しました。

HPへの掲載日順です。

2020-01-21
三菱マテリアル株式会社(更新掲載)
2020-01-17
日本触媒株式会社(更新掲載)
2020-01-14
日鉄鉱業株式会社(新規掲載)
2020-01-11
株式会社カネカ(更新掲載)
2020-01-07
JFEケミカル株式会社(更新掲載)
2019-12-27
三菱ガス化学株式会社(更新掲載)
コニカミノルタ株式会社(新規掲載)
花王株式会社(更新掲載)
2019-12-26
昭和電工株式会社(更新掲載)
2019-12-22
ダウ・ケミカル日本株式会社(更新掲載)
2019-12-21
本田技研工業株式会社(更新掲載)
富士フイルム株式会社(更新掲載)
アイカ工業株式会社(新規掲載)
2019-12-14
ADEKA工業式会社(更新掲載)
2019-12-13
凸版印刷株式会社(更新掲載)
2019-12-11
住友化学株式会社(更新掲載)
スズキ株式会社(新規掲載)
2019-12-07
三菱ケミカル株式会社(更新掲載)
2019-12-05
エリーパワー株式会社(更新掲載)
日鉄ケミカル&マテリアル株式会社(更新掲載)
2019-11-28
王子ホールディングス株式会社(更新掲載)
2019-11-24
株式会社クレハ(更新掲載)
2019-11-22
JXTGエネルギー株式会社(更新掲載)
2019-11-21
DIC株式会社(更新掲載)
2019-11-14
JFEエンジニアリング株式会社(更新掲載)
2019-11-12
信越化学工業株式会社(更新掲載)
住友電気工業株式会社(更新掲載)
株式会社コーセー(更新掲載)
2019-11-08
東レ株式会社(更新掲載)
NOK株式会社(更新掲載)
ニチレキ株式会社(更新掲載)
2019-10-27
ライオン株式会社(更新掲載)
古河電気工業株式会社(更新掲載)
デンカ株式会社(更新掲載)
2019-10-17
協和キリン株式会社(更新掲載)
日産自動車株式会社(更新掲載)

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