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在校生送辞

在校生送辞 上宇宿 雄哉

送辞

肌を刺すようを冷たい外気がいつの間にか和らぎ、吹く風にも春の訪れを感じるようになりました。このようを良き日に、早稲田大学を卒業された皆様、並びに大学院を修了された皆様、本日は誠におめでとうございます。

今、先輩方の脳裏にはどのようをことがうかんているのでしようか。入学したての期待と不安が入り混じったときのこと、友達と遊んだり旅行にいったときのこと、レポートに追われて徹夜をしたときのことでしょうか。それとも二日酔いの朝の後悔しかないときのことでしょうか。それは人それぞれ異なっていると思いますが、いまでは笑って話せるようになっていると思います。

私は早稲田大学が多様な価値観を認めてくれる大学だと感じています。様々な価値観を特った人と交わることができ、刺激的を日々を過ごせています。その一方で、その多様性故に考え方や意見が合わず、人間関係で悩むことがよくありました。そんな時、先輩方はいつも、悩みを聞いてくださり、自分の経験を元にアドバイスしてくださいました。時には朝まで語り合うこともありました。
それが私たち後輩にとってどれほど有り難かったことか。今後は先輩たちにしていただいたことを
胸に、後輩たちを手助けしていけるよう努力してまいります。

 今年度、応用化学科は創立百周年を迎えました。応用化学科が出来た百年前は第一次世界大戦で物資等が不足したり欧米に追い付くために産業を育てなければならず、化学が必要とされている時代でした。そんな中、大隈候は「国が必要をらば費用のことは今考えるには及ばない」と仰り、応用化学科を創られたそうです。応用化学科創立期の、国民のためという思いは百年間変わることかく受け継がれ、今の「役立つ化学 役立てる化学」へとつながっているのだと思います。この言葉を胸に刻み、歴史と伝統のある応用化学科を卒業、修了される先輩方が将来、世の中を明るいニュースでいっぱいにしてくださることを楽しみにしております。

 最後になりましたが、皆様の今後の更なるご活躍をお祈りし、感謝とお祝いの言葉とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。

平成三十年三月二十四日       
在校生代表     
    上宇宿 雄哉

2017年度学位記・褒章授与式Gallery

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三浦応用化学会会長祝辞

三浦応用化学会会長祝辞

まずは皆さん、ご卒業まことにおめでとう御座います。
ご家族の皆様も本日の我が子の晴れ姿をご覧になり、感無量のことと存じます。誠におめでとうございました。また教職員の皆さまにはこれまで指導され、育て上げられてきたご労苦に対しまして敬意と感謝を申し上げたいと思います。

卒業生諸君は本日を以てそれぞれの道に希望に満ちて旅立っていくことになります。しかしながら昨年も言いましたように、折角のハレの門出ではありますが、諸君の前には決して平坦な道が続いているようには思えません。

私ごとになりますが、以前いた東京ガスで様々なエネルギーソリューションの仕事に半世紀近く携わって、まあ、エネルギーのプロの端くれと自負してきました。しかしながら昨今のエネルギー情勢の流れや変化はどうでしょう。
発電や産業においてエネルギーソースの変遷はハンドリングも含めた高密度化が常識でした。薪ー石炭ー石油ー天然ガスと進んできたように。だからこそ私たちの現役時代は、環境対応とはいいながら低密度の自然エネルギー、再生可能エネルギーの台頭など夢絵空事と信じてきた訳です。まず火力、原子力、分散電源でも原動機、燃料電池を使ったコージェネレーションがデマンドサイドの最終エネルギーである電気を作るコアであると固く信じて来ました。

しかしながら今、この高密度エネルギーシステムが全て風力、太陽光に置き換えられているのです。すでに欧米ではFIT(固定価格買取制度)なしにKWHあたり2セント、全くのカーボンフリーエネルギーでこの価格では火力でも原子力でも敵いません。この半世紀、私が信じてきた常識が社会の変化、技術の進歩によりひっくり返ったのです。
残念なことに多くの分野で起こっているこのような世界の変革に我が国はついて行けているとは思えないのであります。
いまのバブルとも言えるアベノミクス景気はともかく、我が国のファンダメンタルの経済力は世界の二流国になりつつあり、かつ一番重要なエネルギー問題でも取り残され、さらに我が国を支えてきた科学技術力も途上国にさえ劣後し始めています。
このように日の沈むような兆候の日本でこれから諸君は社会に旅立つのです。
きれい事のお祝いの言葉はとても言えない心境です。

とは言え、真っ暗な将来ばかりを懸念している訳ではなく、この日本の厳しい状況を変革して救うのは間違いなく諸君ら若い世代であると言う強い確信もあります。
恵まれた教育環境で力を付けるとともに、独立不羈の早稲田精神のまっただ中で青春を過ごした諸君は、他校では得られない、組織に埋没することなく、強固に構築されたヒエラルキーに対しても反骨出来る、決して上司に迎合しない、最近は忖度しないと言うらしいですが、素晴らしい力を身につけたはずです。
企業の中で小賢しく適応していくことなく、自らの理想を実現するために強い意志を持って社会を、企業を改革していく気概を持っていただきたい。
これが私からの諸君の門出への激励の言葉です。

最後に、早稲田応化会には優れた先輩諸氏が数千、数百人といます。何かで悩む時、より多くの知見が欲しい時に、是非後輩達を支援する応化会に戻ってきてみて下さい。そして、余裕が出来たら今度は恩返しです。応化会活動に参加して後輩達を支援する側になって下さい。このお願いを申し上げて、私の激励の挨拶とさせて頂きます。

これからの新しいチャレンジに是非頑張って下さい。

 

川上浩良先生講演趣意

 

Big Ideas In Chemistry

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本日は、このような機会を与えていただき、応用化学科の先生ありがとうございます。私は、1991年3月に早稲田大学応用化学科高分子研究室で西出研先生のご指導をいただきで博士号を取得させていただきました。その後、直ちに米国に留学、2年後都立大学(後の首都大学東京)に戻り研究を続けております。水野賞(第4回)も受賞させていただきました。その折非常に助かりました。ここに改めて感謝申し上げます。2006年から教授をつとめています。今日受賞の皆様奨学金受給者の皆様誠におめでとうございます。

川上浩良先生

今日少し大きめのタイトルをつけさせていただきましたが、必ずしも私がこのようなことをしているというわけではなくて、是非皆様方にこういう大きな仕事をしていただきたい、社会に出てアカデミックな分野あるいはビジネスの分野であっても社会を変えるような大きな研究をまたはイノベーションを起こす研究を行っていただきたいという意味を込めて付けたタイトルです。

今日3っつほどのことをしゃべらせていただきたい。先ほど三浦応化会会長からのお話にも出ましたように、日本の産業界あるいはサイエンスの分野は厳しい状況にあります。(皆様ご存知のこと思いますが)いくつかの例示させていただいた上で私共の研究を紹介させていただきますが、これは皆様方がこれから独立されるあるいは社会にで出て研究されるときの一つの考え方のツールになればと思い紹介させていただきます。最後に皆様の思いををもって締めくくりといたしたいと思います。

これは2000年の世界時価総額になります。20から30年まえにバブルがはじけた状況といわれておりますがそれでも2000年では世界のTop10のなかに2社の日本企業が入っていましたし、13位にトヨタとかホンダが入っています。2018年1月の時価総額になりますと残念ながら日本の企業はTop10にはなく、代わりに中国が入ってくる。日本が誇るトヨタでも43位と非常に厳しい情勢になっています。世界で見る日本の影がどんどん薄くなっているのが現状です。

GDPでは世界3位なので大丈夫ではとおもいますが、これは総和であるので単純に個人当たりにすると世界の順位は25位、シンガポールに2万ドルの差をつけられています。平均給与に至っては20から30年は世界の結果はどのどんあがっていくのに反して日本はほぼ一定の456万円で18位で産業界は厳しい状況にあります。

研究の分野では高いよといわれますが、化学、物理、電子工学ではNatureへの論文数ではTop10の中に入っています。ただ、新しい学問分野、例えばAIを見た時には日本はTop10(7位)に入っていますが、どんどん地位が下がって日本は追い出されて状況です。機関別論文数を見ると日本Top10に入っていません。日本の機関では東大が64位、二位が東工大で262位でもうほとんど影すらない状況です。つまり、従来型学問では世界の好位置をキープしていますが、新しい学問ではもう影すらない状況です。これは大学の状況も同じことで早稲田も本学もアジアの人々を取り入れており、従来の学問領域ではアジアの学生さんも日本を目指してくるが、新しい学問分野になると日本の学生ですらアジアにいって学ぶことになる そんな時代が来ているということです。

2004年から携わっている仕事ですが、私が卒業した1991年の頃ですと5ないし10年先を見透うせる社会でしたが、現在の世の中の成長は指数関数的ですので、例えば5年後もなかなか見透せない時代に来ている。ネット接続機器(2015年80億台、2020年500億台)、ヒトゲノム解析については2000年には日米英の3か国で3000億円をかけて人一人を解析していましたが、2015年では一人1万円で解析できるようになっています。3Dプリンター(2007年 4万ドル、2014年 100ドル)になり、このような早いイノベーションが起きている中で皆さんは社会に出て活躍しなければならないわけです。また、人生100年時代になり、昨年生まれた子供の平均余命は107歳まで生きると予測されているのでこのような社会に出た後で、恐らく80歳位まで働かなければ日本の経済が破たんしてしまいます。そういうことを考えるとこのように世の中の変化が早く、長がく働かなければならない社会で皆様は活躍しなければならないということになります。

このような社会の中で自分たちが研究するうえで、学生に何を伝えるかということになります。私の研究室では学生にはPlatform技術を作るとよいといっている。新しい現象を発見してそれを基礎から実用化にもっていくということを意味している訳ですが、学生に訴えるときには解りやすい言葉でインパクトのある言葉で伝えることが重要ですので「Platform技術を作りましょう」といって学生と研究に励んでおります。一番の考え方としては現象を見つけた時はそれを技術まで昇華する。ですからここに当然時間を割くということも重要でしょうが、実用化のところを常に見据えながら研究をすすめたいなと思って研究を進めてきております。
それからスピード感は大事です。ノーベル賞を取られた先生は、一つのことを長くやることが重要だとおっしゃられております。確かにそうだと思いますが、但し、これからは研究のスパンはどんどん短くなってくると思います。iPSは6年でノーベル賞をもらっています。そういう意味からするとこれからいろんなビックアイデアといわれるものは短いスパンでどんどん出てきて、そこの中で勝負をしていかねばならないのです。そう言う意味で学生にはいつもいつもスピードスピードといっていますが、スピード感を持って研究を進めていくことが大事です。

そして研究のレベルがあらゆる分野で高くなってきていて1研究室で研究を終わらせるということはほぼ不可能になってきます。ですからいろいろな研究者の協力、あるいは企業の協力を得ながら研究を進めていかなければいけないので 特許を取得した後は世界にオープンにして多くの研究者と研究を進めてきております。

川上浩良先生のご講演

我々のところはスタッフも多く、恵まれた研究室になっています。そこでは8つのテーマを研究しています。田中先生も早稲田大学応用化学科の出身者で、助教で頑張っておられます。学生は30名位で研究を進めております。今日はこの中の電解質とナノファイバーに関する内容についてご紹介させていただきます。

ご存知のように水槽や蓄電池これはエネルギー分野で必修の技術になってきます。昨年度内閣は安部首相の下で水素戦略基本方式を立てましたけれども、首都大学東京の支持母体であります都庁は、2020年にオリンピックのときに「水素社会をlegacyで残す」ということになりまして、大学の中に水素エネルギー社会構築推進センターを作ってサポートしている状況です。必ずしもそれのためというわけではありませんが、「固体電解質膜の重要性」にかんがみ、燃料電池用の個体電解質膜の研究を進めてきております。ここで出てきた技術を全個体型のリチウム電解質膜のほうに応用するという研究を進めています。これが一つのPlatform技術になって一つの研究からその横の展開としてさまざまな分野に応用できるとしてこういう研究をしております。

「燃料電池用電解質膜の課題」に関しましては、すでにトヨタとかホンダで燃料電池車が走っているので多くの皆様は、終わった技術と思われるかもしれませんが、価格が非常に高くてトヨタでは売れば売るほど赤字になる。実際に我々が安価に使うためには多くのブレイクスルーが必要になってくるわけです。電池ですので抵抗が低いとか燃料がガスですのでガスが抜けてしまってはまずいのでリークが起きないこと、当然長い間使えることが必要になってきます。抵抗を下げるためには伝導性を上げることも重要ですが、一方で膜厚を薄くすることも重要になってまいります。 いま世界中の研究者たちの最大のフォーカスは膜厚をいかに薄くするか薄くするということはそれだけでコスト低減につながりますのでこれが最も手っ取り早いということで世界中でいかに膜厚を薄くするという競争が進んでいる。

ところが薄くするとガスが多く抜けていってしまい、安定性も損なわれることになりますのでこういったところのTrade-Offをいかにクリアしていくかが重要になってきます。プロトンは水を介して移動するので今の燃料電池は加湿器を付けて80℃くらいで膜が濡れる状態でプロトンを移動させています。これが車のコストを上げる原因になっていますのでこのような状況を改善する必要性がでてきます。今申しあげてきたところを整理しますと現状の膜はこのようなところにありますがターゲットとしましてはこういうところに電解質膜ができないといけない。ところが湿度を下げてまいりますと水を介している、あるいは酸をたくさん入れている状態ですので、加湿が低い状態ではプロトンがうまく輸送しないということになって伝導性が著しく下がってしまう、ということが挙げられています。

酸をいっぱい入れた状態にしなければいけないので安定性は膜が柔らかくなるので下がって、また、燃料である水素とか酸素がプロトンで高いところでは膜が柔らかい状態になりますのでどんどん抜けていくことになります。ですからエネルギー効率も悪くなる。こういったTrade-Offの関係を如何に打破するかということが燃料電池のコストを下げながら安定的に使える材料になる。

私達は高分子のナノファイバーを持ち込んで先ほどのTade-Offの関係をを打破できないかという研究を進めてきております。 ナノファイバーは表面積が広く、ナノレベルになると今まで知られていないような現象がでてくる、例えば、ナノファイバー表面ではほとんど摩擦が発生しない、ファイバーの中では高分子がかなり高度に背向してくる。ですから通常のポリマーでフィルムを作るのとは違う現象がでてくるのでそれをうまく使いながら電池にしようと進めております。ナノファイバーの内側の表面に近いところにスルフォン酸基が形成されるパスあり、プロトンはスルフォン酸基を介して迅速に移動することができるようになる。グラフト化されたブロックポリマー中のプロトン移動をみるとフィルム状とファイバー状では二ケタの違いが出てきた。いろいろな効果が重なると早い伝導性がでてくることが判明した。

その他、超比表面積効果、ナノサイズ効果、超分子配列効果、ナノファイバーの化学的・熱的安定性等の結果が示されたが、企業との研究があるのでデータは割愛します。

 終わりに、Big Ideas In Chemistry について言及します。色々なアイデア、特にバイオ分野で新しいアイデアが出てきております。私は、現在東京都のバイオベンチャー支援事業又はライフサイエンス事業の支援委員長をしている。例えばユーグレナ(ミドリムシ)のサポートをしています。
当初は研究者たちも自分達の研究のところを主張する方が多かったのですが、当然自分の研究はするが、最近は、それに合わせて実用化のphaseまで一緒に考えるようになってきました。例えば、iPS細胞を作ります。といった時にiPS細胞を作るところまでは自分たちの技術でしようと主張しますが、それを作るうえでの自動化ロボット等を含めてアイデアとして提案する。最近ほとんどの分野でそのような形になってきている。彼らもスピードを重視してオープンイノベーションでいろいろな分野の人達を巻き込んで研究を進めている。今それを実施している研究者は、若いです。ほとんどが25歳位でたまに35歳まで、このような研究者がどんどん提案してきている。従って、この分野では日本の未来は明るいのではと思っている。

一方で心配しているのは量子コンピュータで量子化が進展して来た時に、果たして合成しているChemistryの分野の研究者が残るのか否かが心配です。米国では「マテリアルゲノム」という大きなプロジェクトがスタートして瞬時にこのような化合物を作らせるために量子コンピュータを使って計算して目的物を合成してしまう。今後10年後ぐらいには従来の合成分野でもデジタルに負けるということになると合成化学として更に厳しい状態に陥ることになる。私の研究室ではバイオの研究も行っているのでバイオ研究をしている学生で、博士後期課程に進む予定の人には半年間インフォーマティクス、DNA、最近ではRNX、など徹底的に勉強させて情報とマテリアルの融合をしていかないと生き残れないのではと推測しています。試験的に現地に送り込んで勉強させております。

 働き方改革が国会で議論されていますが、欧米のまねではないかとの違和感がありますが、若い時代に厳しいトレーニングを積んでいると社会に出たときに役立つことがわかっています。若い時には体力、気力が充実しているのでここで鍛えておかないとその先では無理。従って、体力、気力が一番充実しているこの時期に先生方に鍛えていただき、卒業してください。その鍛えた方ですが、米国の教育学などで言われていることですが、高めの要望、チャレンジングな仕事を与えることが必要です。

 最後に、フォーブスが2017年にベンチャーで起業化して成功したほとんどが米国人(日本人はたった一人)の30歳以下の人々に起業化の際に重要なことはないかをアンケートした結果です。第3位はビジョン(20%)、2位が情熱(50%)、最も多かったのは根性であったとのことです。即ち、やる気があれば人生成功するとのことです。

以上で本日の講演を終了です。

Floorからも活発な質疑討論がありました。

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各受賞者の研究テーマ

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水野賞受賞者

山本 瑛祐 君
メソポーラスシリカナノ粒子の精密作製に基づいた新規ナノ粒子結晶の構築

吉川 昌 君
Synthesis and Polymerization Behavior of Oligosiloxanes Possessing Alkoxy Groups

川井 拓真 君
キノン置換レドックスポリマーの有機二次電池への展開

佐藤 歓 君
ラジカルポリマーにおける電荷輸送の高速化と充放電デバイスへの応用

白江 宏之 君
Fast, High-Yield Fabrication Processes of Low-Resistivity, Flexible Carbon Nanotube Films

露木 康博 君
Reaction Mechanism Analysis of Si Electrodeposition Process in Ionic Liquids

真鍋 亮 君
Low Temperature Catalysis via Surface Protonics

水野敏行奨学金受給者

須澤 徹生 君
糸状菌Aspergillus luchuensis WU-2014 由来フィターゼの利用を目的とした酵素的性質の解明

林 宏樹 君
電界効果トランジスタバイオセンサにおける糖鎖固定化界面のインフルエンザウイルス捕捉能の評価

吉岡 育哲 君
糸状菌Aspergillus nigerにおけるシアン非感受性呼吸酵素遺伝子の有機酸代謝工学への応用

諏訪 康貴 君
ホール輸送高分子の合成とペロブスカイト太陽電池への導入

斎藤 晃 君
金属担持ゼオライト触媒によるエタン脱水素芳香族化反応

牛木 涼友 君
アルカン脱水素反応に対するPt,Feイオンを交換したゼオライトの触媒特性

藤平 誉樹 君
磁気記録応用に向けた化学合成FePtナノ粒子の配列形成と熱処理効果

里見奨学金受給者

海野 城衣 君
FBRMとFT-IR-ATRによる有機物結晶における核化・成長速度パラメータの算出

小松田 雅晃 君
脱芳香族的官能基化反応の開発

応用化学会給付奨学金受給者

吉岡 育哲 君
糸状菌Aspergillus nigerにおけるミトコンドリア局在型輸送体遺伝子の機能解析とクエン酸高生産への応用

小池 正和 君
積層方向に細孔を有する層状ケイ酸塩の最適な設計によるゼオライト膜の作製及び分離膜への応用

池 勇樹 君
超音波誘導核化手法を用いたアミノ酸結晶の多形制御

海野 城衣 君
FBRMとFT-IR-ATRによる有機物結晶における核化・成長速度パラメータの算出

 

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三浦千太郎応化会会長の祝辞

三浦会長の祝辞

本日は各賞受賞の皆様、誠におめでとうございます。
早稲田応用化学科は、先輩諸氏の寄付により大変充実した奨学制度を持っており、途切れることなく現在も運用され続けており、応用化学で学ぶ学生諸君にとって大変恵まれた環境が用意されております。
今日、いただいた水野敏行奨学金、応用化学会給付奨学金、(中曽根奨学金)、里見奨学金の四つの賞がありますが、これらはそれぞれ個人の先輩諸氏の寄付金によって成り立っております。その中で個人名の冠を付したものには原資に限りがありますのでいずれ終焉する宿命があります。ただ、過去に平田賞や古賀賞のように個人の冠を付したものはいくつかありましたが、終わると直ちに里見奨学金あるいは中曽根賞のように新しい先輩の熱い思いが後輩の諸君にそして母校に対して寄付されるという恐らく他の学校では類を見ない早稲田大学応用化学科固有の大変素晴らしい伝統があると自負しております。一昨年新しく賞を創られました中曽根先輩はその対象が応化全体ではなく高分子に限定されておりますが、中曽根先輩の後輩に対するそして母校に対する熱い思いが、そして、最大規模を持つ水野敏行奨学金、河村さんはこの水野家の代表で水野家の思い、応用化学会には応化会550名の先輩及び先生方の思いがあります。また、里見さんも自分が社長になったらすぐに早稲田の応化に寄付制度を作るという風に言っておられましたし、それぞれの賞には先輩諸氏の後輩に対する熱い思いがあります。
今日受賞された皆様は、肝に銘じて発奮して勉学に勤しんでいただきたいと期待しております。
明治以来、我が国は高度な科学技術をもって国力を高めてきました。敗戦後も民間の力を使ってこの高度な科学技術力は益々向上し、現在の繁栄に繋がっています。
しかしながら、国際情勢は大きく変わり始めています。特に途上国の驚異的な発展により化学界も従来主流であったエネルギー素材系、いわゆる基盤インフラから生命、医療、ナノテクなどの新しい技術を加えた新しい科学に転換しようとしています。
第2ステージを迎えようとしているこの時代、しかしながら大変憂慮すべきことでありますが我が国を支えてきた科学技術が世界の序列の中で大きく著しく後れを取り始めているという意見が多く出てきております。ノーベル賞は、ここ数年、化学、生命医療、を初めとして多くは二度も受賞して喜びをもって受け止めていますが、ノーベル賞受賞者である大隅教授は、「これも思うに、20年から30年前の研究成果に対する評価であります。研究者が非常に減っていく中でこの状況が継続できる、あるいは将来にわたって持続できるのかどうか自分は憂慮している」と発言している。ご多分に漏れず早稲田大学応用化学科も博士後期課程進学者をなかなか集めにくいという嘆きを先生方から漏れ聞いております。
皆様は、化学界の最高学部の代表選手になったわけですから先輩方、先生方の熱い思いを是非ご自分の今後の研究生活に反映させて我々の期待に応えていただくよう精進をお願いします。
最後に諸君が卒業して社会で活躍し、少し手元に奨学金以外のお金が入ってくるようになった時にこの日のことを思い起こしていただきたい。
今度は諸君が後輩たちのために寄付をする、応用化学会に寄付を預けていただくことを切にお願いいたしましてお祝いの挨拶といたします。

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2017年度 褒賞・奨学金授与式 Gallery

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